秋をつれてくる妖精(ススキとワレモコウ)

chita72004-09-02

ススキの妖精には、悩みがあります。
「あたしって、何でこんなに地味(じみ)なの?」
頭(あたま)のてっぺんから足のさきまで
むぎわら色(いろ)いっしょくなのです。
それが、ススキの妖精には、不満(ふまん)でなりません。
おまけに、秋が深(ふか)くなってくると
いままでツルリンとしていたスカートも
ボワンと毛羽立(けばだ)ってしまうので
不満(ふまん)は、つのるばかり。
「あたしって、何でこんなにボサボサなの?」
ススキの妖精も女の子です。
「きれいだね」とか「かわいいね」とか
いちどくらい言われてみたいのです。
そこで、なかよしのワレモコウの妖精に
悩(なや)みを、うちあけました。
赤紫色(あかむらさきいろ)の服(ふく)を着た
ワレモコウの妖精は
赤紫色(あかむらさきいろ)の瞳(ひとみ)で
ススキの妖精を、じっとみつめます。
と、いきなりススキの妖精をギュッとだきしめ
「ホワホワして、あったかーい!
なんだか、とってもホッとする。」
と、つぶやきました。
それを、きいたススキの妖精は
何だか、とてもうれしくなりました。
   ススキの穂と紫色のワレモコウは
   きょうも、なかよく秋のけはいを
   ふりまいています。


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