こどもたちの笑顔が好きな妖精(朝顔{あさがお})

アサガオの妖精のまわりは
いつも子供(こども)たちの笑(わら)い声で
満(み)ちあふれています。
夏休(なつやす)みには
こどもたちがアサガオの花を
育(そだ)てるからです。
朝はやくバタバタおきだしてきて
「あー、さいてる!さいてる!」
と、うれしそうに
おかあさんに話す子がいれば
じっとみつめたまま
ニコニコしてる子もいます。
どの子も自分(じぶん)のアサガオの花が
さくのが、うれしくてたまらないのです。
こどもたちは、毎朝(まいあさ)
{カ・ン・サ・ツ・ニ・ッ・キ}を、もって
水(みず)やりにきます。
アサガオの妖精は
キャラ、キャラ笑う声(こえ)がききたくて
つぼみを、たくさん育(そだ)てます。
真夏(まなつ)の太陽(たいよう)が
山のあいだから顔(かお)をだすとすぐに
アサガオの花たちは
いっせいに、ひらきます。
そうして
アサガオの妖精は
こどもたちを、まちながら
あついあつい夏(なつ)をすごしました。
ある日の朝(あさ)、
いくらまっても
こどもたちがやってきません。
花たちも水(みず)が、ほしそうです。
昼(ひる)をすぎても、
夕方(ゆうがた)になっても
とうとう、こどもたちはきませんでした。
そうです!!!
9月(がつ)になり新学期(しんがっき)が
はじまったのです。
こどもたちは、また
学校(がっこう)や塾(じゅく)に
いそがしくなり
アサガオのことは、わすれてしまったのです。
その日から、
妖精たちは元気(げんき)をなくし
花はしおれ、葉(は)は落ちて行きました。
あんなに、たのしかった夏の日々(ひび)は
夢(ゆめ)だったのでしょうか?
妖精たちは心(こころ)がしずみ
心といっしょに体(からだ)も
よわっていきます。
関心(かんしん)がなくなると
みむきもしない、
こどもたちの切り替え(きりかえ)のはやさに
素直(すなお)なアサガオたちには
心(こころ)がついてゆけなかったのです。


月日(つきひ)がたち
こどもたちが、ふと思(おも)い出したとき
アサガオの笑顔(えがお)があったところには、
もう、なにもありませんでした。

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